
「未来町行き、君との約束」
改札の前で、足元に何かが落ちているのに気づいた🎫。
拾い上げると、それは 「未来町」 行きの片道切符。
「……こんな駅あったっけ?」
見覚えのない駅名に首をかしげていると、突然、背後から声がした。
「その切符、私のです!」
振り向くと、そこに立っていたのは—— 遥。
かつて愛した人。
けれど、彼女は 数年前にこの世を去ったはずだった。
「……遥?」
驚いている僕に、彼女は柔らかく微笑む。
「久しぶり。ちゃんと覚えてる?」
覚えてるも何も、忘れたことなんてなかった。
でも、どうして……?
「未来町行きの切符、それは”願いを叶える切符”なんだよ」
「願い……?」
「そう。あなたが願ったんでしょ? 『もう一度会いたい』 って」
彼女はそっと僕の手を握る。
「一緒に行こう?」
耳元で電車の発車ベルが鳴る🚆。
乗れば、きっともう戻れない。
でも——
「……行こう」
僕は彼女と手を繋いだまま、未来町行きの電車に乗り込んだ。
扉が閉まる直前、駅の案内表示がふと目に入る。
そこには、こう書かれていた。
『未来町』—— 別れた恋人と再び巡り会う場所
電車が静かに走り出す🚃。
隣には、確かに彼女がいた。
これは夢か、それとも—— 運命 か。
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