
1分間の選択が、未来を変えた⏳💞
「口説ボスEP2、今年は“1分”がテーマだって」
ランチ帰りのエレベーターで、後輩の美咲がそんな話をしてきた。
「1分って、何のこと?」
「願いを叶えるために、1分だけ過去に戻れるらしいよ」
そう言われても、信じられるわけがない。
だけどその瞬間、私の胸にチクリと刺さった名前があった──蒼。
彼とは半年前に別れた。
いや、別れてしまった。
些細なすれ違いが積もって、最後は私が一方的に突き放した。
本当は、謝りたかったのに。
📩エントリー用紙には「1分戻れるなら、あの言葉を言い直したい」とだけ書いた。
バカみたいだけど、それが本音だった。
イベント当日、社内はタイムトラベルを模した装飾でいっぱいだった。
「この“時計の部屋”で最後のスタンプを押すと、1分のチャンスが与えられるらしい」
美咲がそう言って、私の背中を押した。⏰
部屋に入ると、中央に銀色の砂時計が置かれていた。
「願いの時間は、ちょうど1分──戻りたい“過去の瞬間”を強く思い描いてください」
私は目を閉じた。
蒼と最後に交わした言葉。
あの「もう無理だよ」って吐き捨てた瞬間。
あれを──変えたい。
砂時計が音もなくひっくり返り、気づくと私は、あのカフェの前にいた。
半年ぶりに見る、蒼の後ろ姿。
振り返る前に私は、震える声で言った。
「ごめん、あの時……本当は、別れたくなかった」💧
彼が目を見開き、ゆっくりと笑った。
「……やっと、素直になれたね」
1分後、私はイベント会場に戻っていた。
でも、そこには──
「探したよ」
蒼が立っていた。🌈
「このイベント、試してみようって思って来てたんだ」
彼の手には、同じ色のエントリーカードが握られていた。
そこには、こう書かれていた。
『あの日、彼女が「ごめん」って言ってくれたら、やり直したい』
「君の言葉、ちゃんと届いたよ」
私たちは思わず笑った。
1分の奇跡が、二人を繋ぎ直してくれたんだ。💞
帰り道、蒼がふいに言った。
「次は、後悔する前に言おう。好きだって」
私は頷いた。
次の1分を、ずっと一緒に過ごしていけるように。
──ラストミッションは、こう締めくくられていた。
『あなたが取り戻した1分は、誰かに贈る未来の1時間になりますように』⏳✨
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