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君の顔では泣けないと笑いが止まらない日

涙より笑顔が先にくる瞬間😊

日曜の午後、公園のベンチで私は空を見上げていた。
青空が広がっているのに、胸の中はなんとなくモヤモヤ。

そこへ、隣に座った幼なじみの健太が「どうした?」と声をかけてきた。

「別に…ちょっと落ち込んでただけ」

「落ち込んでる顔じゃないぞ。むしろ笑ってるみたいだ」

そう言いながら、健太はコンビニ袋からアイスを2本取り出した。
「ほら、あげる。チョコミントな」

「私が好きなの覚えてたんだ」

一口食べた瞬間、冷たさと甘さが口いっぱいに広がる。
その時、健太が急に真剣な顔で言った。

「なぁ、俺…」

ドキッとする私。
しかし次の瞬間——

「今、おでこにチョコついてるぞ」

「えっ!?」

慌てて拭こうとするけど、健太は笑いをこらえきれず吹き出した。
その顔があまりに楽しそうで、私もつられて笑ってしまう。

「やっぱりダメだな」

「何が?」

「君の顔見てると、泣けない」

その言葉に、胸のモヤモヤが一瞬で溶けた気がした。
涙よりも先に笑顔がこぼれるなんて、ちょっとずるい。

「そういうこと言うなら、こっちもお返ししなきゃね」
私は健太の頬についていた小さなチョコの欠片を指で取った。
すると健太はわざとらしく真っ赤になり、「やめろよ」と笑う。

気づけば、さっきまで沈んでいた気持ちはどこかへ消えていた。
風が頬を撫で、木々の間から差し込む光が二人を包む。
どこか遠くで子どもたちの笑い声がして、街全体がやさしく呼吸しているようだった。

「また来週も、同じ時間に来る?」

「もちろん。今度はアイスじゃなくて、コーヒー持ってくるよ」

「じゃあ、その時は私が甘いドーナツ持ってくる」

健太は「いいな、それ」と笑い、空を見上げた。
雲がゆっくり流れていく。
その穏やかな横顔を見ていると、なんだか胸がくすぐったくなった。

夕日が沈む頃、二人の影はゆっくり重なっていく。
公園の街灯が一つ、また一つと灯り始める。
肌寒い風が吹き、私は無意識に肩をすくめた。

すると健太が「ほら」と自分のパーカーを肩にかけてくれる。
「来週も、その顔で笑っててくれよ」
その一言が、今日一番心に残った。

今日の笑い声とチョコミントの香りが、きっとずっと忘れられない思い出になる気がした。✨

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