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ひと言小説「彼女からの最後の言葉」

「最後のメール」

朝、スマートフォンの通知音で目が覚めた📱。
眠気まなこで枕元の画面を手に取ると、一通の未読メールが表示されている。

「ありがとう」

短いその一言なのに、胸が締め付けられる。
送り主は、彼女だった。

夜、彼はふと彼女のことが気になり、何度か連絡を試みたが繋がらなかった。
「忙しいのかな」と自分に言い聞かせつつ、深夜には眠りに落ちた。
その彼女からの突然のメッセージに、少しだけほっとした。

だが、次の瞬間、電話が鳴り響く。着信は彼女の友人だった。

「昨夜、彼女が事故に遭って……」

耳に届くその言葉に、頭が真っ白になる。
電話を切り、手元のスマートフォンに視線を戻した。

「送信日時: 昨日 22:30」

涙が止めどなく流れる💧。
画面を見つめながら、彼はふと彼女との日々を思い出していた。

彼女はいつもスマートフォンを手にしていた。
歩きながら操作している姿を見かけるたびに、そのことを指摘すると、彼女は決まって「平気だよ」と笑った。
その笑顔が、今はただ切ない。

「ありがとう」

その言葉に込められた彼女の想いは、永遠に謎のままだ。
スマートフォンをそっと閉じ、心の中で静かに呟く。

「俺のほうこそ、ありがとう」

その言葉が、どこかで彼女に届くことを願いながら。

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