
「写真の中の声」
母のアルバムを久しぶりに開いた📖。
ページをめくるたびに現れる懐かしい写真の数々。
その中に幼い自分が無邪気に笑っている写真があった。
“この頃、何を考えてたんだろうな…”と独り言を呟く。
ページを進めると、草原で母に抱きつく自分🌼、砂浜で手を振る自分🏖️、そして運動会で全力疾走している自分🏃が現れた。
どの写真も昔の思い出を鮮やかに呼び起こしてくれる。
しかし、その中に一枚、不思議な写真があった。
背景には曇り空の公園🌫️。
ブランコに座る自分が写っている🎠。
しかし、その自分がまるでこちらに向かって何かを囁いているように見えた。
「なんだろう、これ…」
目を凝らしても、声など聞こえるはずがないのに、胸の奥で小さな声が反響するような感覚がした。
その瞬間、まるで耳元で囁かれたかのような言葉が頭に浮かんだ。
“もっと母さんに甘えていいよ。”
背筋がぞくっとした。
まさか…いや、気のせいだろう。
けれど、その声はどこか懐かしく温かかった。
母のアルバムを閉じ、顔を上げると、リビングの端に母が微笑んでいる姿があった😊。
手には湯気の立つお茶。
「昔の写真、懐かしいでしょ?」
「ああ、すごく…」
母は少し笑って、そっと私の肩に手を置いた。
その温もりに安心しながら、私は思った。
写真に映る幼い自分が囁いていた言葉。
それは、今もどこかで母と過ごせる時間を大切にしろと言っているのかもしれない。
…小さな声が、胸の中で静かに響いた✨。
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