
思い出が、ぬいぐるみの隣にいた🎁
《@mio_lov_rabbit:まさか、あの人とこんな場所で再会するなんて——》
日曜日の午後、私は渋谷の地下通路を歩いていた。
目的はただひとつ、「ラヴィット」期間限定のポップアップストア。
小さな頃からずっと見ていた番組。
それ以上に、彼と一緒に笑って観ていた、あの時間が好きだった。📺
別れてから三年。
もう忘れたつもりだったのに、店頭に並んだラヴィットのグッズを見るたび、胸の奥がざわめいた。
缶バッジ、マグカップ、ぬいぐるみ。
どれも彼が「かわいいな」と微笑んでいたものばかり。
——買うつもりなんてなかったのに。
気づけば、両手いっぱいに抱えていた。
ふと、ぬいぐるみの棚の前で立ち止まる。
そのときだった。
「……ミオ?」
懐かしい声が背中から聞こえた。
息が止まりそうになる。
ゆっくりと振り返ると、そこには彼——リクがいた。
黒縁のメガネ。少し伸びた髪。
けれど、あのときと同じ優しい目で、私を見ていた。
「……やっぱり。君も、まだ好きだったんだ、ラヴィット」
私の腕の中のグッズを見て、彼はそう言って笑った。
その笑顔が、ずっと夢に見ていたものだった。
「今日、ここに来れば……会える気がしてた」
彼の声が震えていた。
「じゃあこれ、奇跡ってことにしていい?」
私も、ようやく笑えた。
私たちは、言葉よりもグッズを見つめながら話した。
「このマグ、前にペアで買ったよね」
「缶バッジ、君がコンプしてくれたっけ」
いつの間にか、グッズの棚がアルバムみたいに見えてきた。📷
そして、最後のぬいぐるみを手に取ったとき、リクが囁いた。
「……もう一度、やり直してみない? 君とじゃないと、ラヴィットも、笑えないから」
涙があふれた。
言葉にならなくて、ただぬいぐるみを彼に差し出す。
リクはそれをそっと受け取って、肩を並べて歩き出した。
ポップアップストアの出口から差し込む光が、やけに暖かかった。☀️
グッズに託した思い出が、ふたりをもう一度つなげてくれた。
それはまるで、ラヴィットが用意してくれた再会の魔法みたいだった。
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