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ひとこと小説「月夜の再会」

「約束の夜」

十五夜の夜🌕
静かな公園のベンチに座り、私は月を見上げていた
「あの日、また会おうって言ったよね」

十年前、幼い頃に交わした約束
「満月の夜に、またここで」

でも、そんな約束、きっと彼は覚えていない
そう思いながらも、私はこの場所に来てしまった

ふと、影が揺れる
振り向くと、そこに彼がいた
あの頃と同じ優しい笑顔で——

「遅くなって、ごめん」

驚きで言葉が出ない
彼は変わらない笑顔のまま、そっと私の隣に座る

「…どうして」

「約束したから」

信じられない気持ちと、胸に広がる温かさ
夜風が優しく吹く中、私たちはただ、並んで月を見上げた

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