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ひと言小説「あの日の喫茶店」

「消えたカフェの彼女」

数年前に閉店したはずの喫茶店「カモミール」に、ふと足が向いた☕
ノスタルジックな気分に浸りながら、埃の積もったガラス越しに店内を覗くと——そこに彼女がいた。

白いカップを手に、微笑む彼女。
昔と変わらない、柔らかな雰囲気💫

心臓が跳ねる。
——でも、おかしい。

この店は、もう何年も前に廃業しているし、彼女とはそれよりも前に別れたはず。
まさか、幽霊……?💦

震える手で扉に触れると、錆びついた取っ手が軋んだ。
驚いたことに、ドアはすんなりと開く。

「……いらっしゃいませ」

穏やかな声が店内に響いた。
目の前には、彼女が立っていた。

「どうしてここに?」
思わず問いかけると、彼女は寂しげに笑った。

「待っていたの」

彼女の声は、確かに耳に届いた。
だが、その言葉の意味を考える間もなく——

次の瞬間、彼女の姿は消えていた。

カウンターに残されたままの白いカップ。
そこには、まだ温かいカフェオレが注がれていた——☕✨

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