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ひと言小説「手を振る背中」

「さよならの理由」

遠ざかるバスの窓の向こうで、彼が泣いていた😢
必死に手を振る姿が、揺れる景色の中で滲む🚍

「どうして泣いてるの?」
バス停に立つ私の隣で、友達が不思議そうに聞いた

「……わからない」
でも、胸が痛かった💔

さっきまで笑顔だったのに
最後の瞬間、彼は涙を浮かべていた

一年前、彼は転校してきた
不器用で口数が少なかったけれど、優しい人だった💡

放課後、よく二人で帰った
桜の並木道を歩きながら、どうでもいい話をして笑った🌸

でも、彼は突然言った
「俺、来月引っ越すんだ」

「そっか……」
寂しいけど、どうしようもない

それからの一ヶ月は、何気ない時間が愛おしく感じた🕰️
だけど、結局私は何も言えなかった

「またね」と言ったけれど、もう会えないことはわかっていた

バスの中、彼は最後まで私を見ていた
涙を流しながら

帰り道、ポケットに手を入れると、小さな紙が出てきた📄
彼の字で、たった一言

「好きでした」

風が吹いて、紙が舞い上がる
私は空を見上げ、そっとつぶやいた

「……私も」

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