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ひと言小説「壊れた時計」

「止まった時を動かす人」

古びた時計が動かなくなった🕰️
祖父の形見で、どうしても直したかったけれど、修理してくれる職人はなかなか見つからなかった

ようやく見つけた時計修理店
扉を開けると、そこには若い男性がいた

「これを直せますか?」

彼は時計をじっと見つめ、優しく頷いた

「少し時間をください」

数日後、修理が完了したと連絡が来た

店へ行くと、彼は丁寧に磨かれた時計を差し出し、言った

「動き出しましたよ」

針が静かに進み始めるのを見つめる私

「止まった時間が、また動くんですね」

彼が微笑む

「ええ。でも、それだけじゃないかもしれません」

「……どういう意味?」

「あなたがまた来てくれるようにって思いながら、直しましたから」

心臓の音が、時計の秒針と重なるように響いた❤️

——まさか、この時計が運命を動かすとは思わなかった

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