
「消えたはずの声」
枕元のスマホが震える📱。
夜中の二時。
こんな時間に、誰だろう?
画面を見ると、そこには 「遥斗」 の名前。
——ありえない。
彼は 五年前に事故で亡くなったはず なのに。
怖くなってスマホを手放そうとした。
でも、指が勝手に通話ボタンを押していた。
「……もしもし?」
「久しぶり」
鼓動が跳ねる。
この声は、間違いなく遥斗だ。
「……あなた、なんで……?」
「驚かせてごめん。でも、話したいことがあるんだ」
何かの悪戯か、夢か。
でも、彼の声はあまりにもリアルだった。
「明日の夜、会えないか?」
「……え?」
「全部話す。だから、来てほしい」
戸惑いながらも、私はうなずいた。
「……分かった」
その瞬間、通話が切れた。
スマホの履歴を確認する。
「着信履歴:遥斗」
……夢じゃなかった。
でも、どういうこと?
彼は事故で亡くなったはず。
それなのに、私のスマホには、確かに彼の番号が残っていた。
翌日、指定された場所へ向かうと、そこに——
「……遥斗?」
まるで何事もなかったかのように、彼が立っていた。
「……久しぶり」
目の前にいる彼は、確かに生きていた。
私は息をのんだ——。
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