小説 ひと言小説「音のないピアノ」 「無音の旋律」祖父が小さな部屋で向き合うのは、古びたアップライトピアノだった。 鍵盤の白も黒も色褪せ、何度も触れられた痕跡が光る。 だが、そのピアノは音を出さない。 数十年前に壊れたのだと母から聞いた。それでも祖父は、毎日欠かさずその前に座... 2025.01.07 小説