小説 ひと言小説「無人駅の記憶」 「夏の通り道」降り立った無人駅は、どこか懐かしい匂いがした。コンクリートのホームに足をつけると、蝉の声が耳を満たす。一両だけの電車が去り、辺りは静寂に包まれた。ホームの先には、草むらに埋もれた古い待合室があった。扉のガラスは曇り、木製のベン... 2024.12.14 小説