
渋谷に現れたぽんぽこ見習いの奮闘記
タヌキのポンタは、今夜も大都会・渋谷のスクランブル交差点を見下ろしていた。
ネオンがまぶしい。
人間たちはスマホをいじりながら、まるで川の流れのように動いている。
「うぉぉ、これが人間界かぁ……!」✨
ポンタは山奥の狸村から修行の旅に出てきたばかり。
「立派な変化(へんげ)の術を身につけ、村にパンケーキを持ち帰るのだ!」という使命を胸に秘めている。🍰
……が、なぜパンケーキなのかは本人もよく分かっていなかった。
「とにかく、都会には“スイーツ”なる甘味が溢れておると聞く!」
そう言って意気揚々と街へ飛び出したポンタだったが、変化術がイマイチ安定しない。
「変化ッ!」と気合を入れた瞬間、姿は人間の青年に変わる。
――ただし、しっぽが出たままだ。
「……あ、あかん!しっぽ隠し忘れた!」😱
タヌキの焦りとは裏腹に、通行人たちは「新しいファッション?」と笑っている。
渋谷の人々は案外、何でも受け入れる懐が深いのだ。
💬「お客さま〜!お尻にかわいいアクセついてますよ〜!」
声をかけてきたのは、カフェ「パティスリー・モモ」の店員、モモカ。
ピンクのエプロンに明るい笑顔。
ポンタは思わず赤面した。
「あっ、そ、そうじゃ!わし、アルバイトを探しておるのじゃ!」
「えっ?タヌ……じゃなくて、お兄さんが??」
「う、うむ。甘味を極めに来たのじゃ!」🍩
なぜかそのまま採用されてしまったポンタ。
彼の“修行”は、カフェの厨房から始まった。
初日、ポンタは粉砂糖をかぶりながら格闘していた。
「これが“ホットケーキ”か……!見た目は簡単そうじゃが、ひっくり返すのが難儀じゃのう!」😵💫
ぺちゃっ。
見事に床に落ちる。
モモカは笑いながら言った。
「ドンマイ!でも、タヌ……じゃなくて、ポンくん、やる気あるね!」
「むっ、わしの名を見抜いたか!?」
「え?」
「あっ、いや、なんでもない!」💦
その日の夜、ポンタは街の公園で月を見上げた。
「都会は人間だらけ……なのに、なぜか温かいのぅ」🌕
カラスが横で言う。
「お前、尻尾出てんぞ」
「げっ!?💦」
ポンタはカラスから聞いた話に興味を持つ。
「渋谷のカフェには“カフェ猫バイト|気まぐれ猫が店を救う”という店があるらしいぞ」
「猫が働くカフェ!?都会は奥が深いのぅ!」🐱
数日後。
店では「ポンくんのパンケーキ」が評判になっていた。
しっぽを振りながら焼く姿が“癒される”とSNSでバズったのだ。📱✨
「おい、#しっぽシェフでトレンド入りしてるぞ!」とカラスが教えてくれた。
「な、なんじゃと!?これは修行どころではないのう!」
ポンタは有頂天になったが、狸村の長老が密かに街に来ていた。
💬「ポンタよ。変化の修行とは姿を変えることではない。心を変えることじゃ」
「心を……?」
「おぬし、人間界に染まりすぎておるぞ。パンケーキよりも、己を焼き直すのじゃ」
長老は、別の動物たちの挑戦譚も語った。
「“ワンオペ犬カフェ!犬が回す!?笑える日常物語”の犬も苦労しておるらしいぞ」
「犬も大変なんじゃのう……」🐶
その夜、ポンタはしっぽを隠さず、厨房に立った。
「わしはタヌキ。タヌキが作るスイーツでええんじゃ!」
どっしり構えて焼いたパンケーキは、これまでで一番ふわふわに仕上がった。🥞💫
翌日。
モモカが感動の声を上げた。
「ポンくん、これ……おいしい!なんだか森の香りがする!」
ポンタは微笑む。
「それが“狸風味”じゃ」
「え、それって……」
「うそうそ!木の実の粉を混ぜたのじゃ!」😂
笑い声がカフェに響いた。
外では夕焼けが街をオレンジ色に染めていた。
カラスがポンタの肩に止まり、言う。
「で、いつ帰るんだ?」
「うむ……もう少しだけ、人間界で修行するのも悪くないのぅ」
ふと、モモカが言った。
「そういえば、駅前に“ネコノマド が行く爆笑カフェ珍道中”って看板が出てたよ!」
「ほう、猫の修行仲間かもしれん!」
渋谷の街に、ぽんぽこりんと小さな音が響いた。
それはタヌキの笑い声にも、人間の幸せの鐘にも聞こえた。🔔✨
夜更け。
カラスが再び現れた。
「なあポンタ、都会にも面白い奴らが多いぜ。“エア・ペット散歩”って知ってるか?スマホで犬を散歩するんだと」
「なんじゃそれは!?狸でも使えるのか!?」🤣
ポンタは笑い転げながら思った。
「この街は、動物たちがもう一度“自分”を見つける場所なのかもしれぬ……」
そして彼は夜のネオンの中に消えていった。
「次は“リス活男子のナッツな日々〜渋谷リスティック物語〜”のリスにも会ってみるかのぅ!」🌰✨

コメント