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ひと言小説「赤い糸」

「絡まった運命」

帰り道、ふと指に奇妙な感触を覚えた。
赤い糸が絡みついている。
誰かの悪戯だろうかと辺りを見回しても、人気はない。

糸を手繰り寄せてみると、それは歩道を越え、商店街の雑踏の中へと続いていた。
なんだか不思議な気分になり、つい糸の先を追いかけ始めた。🧶✨

人混みをかき分けながら、糸はさらに細い路地へと誘う。
誰かが見ているような気がして振り返るが、そこにはただ行き交う人々がいるだけだった。👀

路地を抜けた先は、小さな公園だった。
夕陽が差し込むベンチの上に、糸の終点があった。
そこに座っていたのは見知らぬ若い男性だった。🌇

彼は微笑んで言った。
「やっと会えたね。」😊

驚いて言葉が出ない。
糸を握ったままの手が汗ばむ。
彼は続けた。

「ずっと探していたんだ、この糸の先にいる人を。」❤️

どういうことだろう?
彼に問いただそうとしたその瞬間、糸が消えるように指から滑り落ちた。
周囲を見渡しても、そこにあった赤い糸の痕跡はどこにもない。❓

「また、どこかで。」 彼の声が風に溶ける。
気づけば夕陽も沈み、街は静けさに包まれていた。
まるで最初から何もなかったかのように。🌌

胸の中に残ったのは、奇妙な暖かさと、心地よい余韻だけだった。🌟

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