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ひとこと小説「壊れたオルゴール」

「メロディの中の言葉」

彼女が最後にくれたオルゴールは、壊れていて音が鳴らなかった🎵
けれど、不思議と捨てる気にはなれず、本棚の片隅に置いたままにしていた。

別れてから一年。久しぶりに掃除をしていると、ふとそのオルゴールが目に入る。
何気なく手に取り、ふたを開けると、カラカラと小さな紙が落ちた💌

驚いて拾い上げると、そこには彼女の筆跡で一言だけ書かれていた。

──「直したら、また会える?」

胸が詰まる。

慌ててオルゴールのゼンマイを回してみると、最初はぎこちなく、それでもかすかに音が流れた。
少しずつ、彼女が好きだったメロディが蘇る🎶

俺はスマホを取り出し、彼女の連絡先を探した。
まだ消せずにいた、その名前を見つめながら、指が震える。

「直したよ」

そう送った瞬間、オルゴールが最後の一音を響かせた。

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