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2025-04

恋愛小説

ひとこと小説「シーツの匂い」

「まだ、ここにいるよ」部屋にふわりと広がる、ラベンダーの香り。窓から差し込む春の光が、白いシーツをやさしく揺らしていた🌸この匂いを嗅ぐと、決まって思い出す。「お日さまの匂いって、落ち着くよね」そう言って笑った、君の声。君が週末ごとに通ってき...
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ひとこと小説「待ちぼうけのベンチ」

「最後の返信」公園の片隅にある、誰も座らない古いベンチ。今日も私は、そこに腰を下ろしてスマホを見つめている📱「17時に、いつもの場所で」そうメッセージが届いたのは、昨日の夜だった。送り主の名前は「拓真」。でも、私は知っている。このメッセージ...
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ひとこと小説「最後の夏祭り」

「すれ違いの約束」駅前の坂道を下ると、夏祭りの提灯が風に揺れていた🎐あの夜と同じ光景だった。——三年前の夏、僕たちは約束した。「来年も、この場所で会おう」って。大学進学で遠くに行った君と、唯一の再会の約束。けれど次の夏も、その次の夏も、君は...
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ひとこと小説「花束の行方」

「ふたりの間違い」日曜の昼下がり、駅近くのフラワーショップ「花と月」で、黄色いチューリップの花束を作ってもらった💐「元気が出る感じで」とお願いすると、店員さんが笑顔でうなずいた。僕は内心、緊張でいっぱいだった。——今日、あの人に会える。高校...
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ひとこと小説「電車の窓越し」

「降りなかった理由」月曜の朝、電車は混み合い、心はいつもより沈んでいた☁️仕事のこと、週末の虚しさ、繰り返すだけの毎日に、少し疲れていた。駅に着いて、ドアが開く。ふと視線を上げた先——彼女がいた。ホームの柱にもたれ、スマホを見ていた女の子。...
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ひとこと小説「虹色の手紙」

「雨がやんだら、届いた未来」朝の雨が嘘みたいに、午後には陽が射していた。いつもの駅前に咲くアジサイが、光を浴びて虹色に輝いて見えた🌈「ポストに手紙、届いてたよ」帰宅すると、母が白い封筒を差し出した。差出人は…見覚えのある名前。高校時代の彼女...
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ひとこと小説「影の向こう側」

「最後に届いた、あの日の“さようなら”」夕暮れの帰り道、ふと足を止めた。歩道に伸びた長い影が、誰かの姿と重なった気がして。その先には、見覚えのある小さな後ろ姿。白いワンピースが夕陽に溶け込むように揺れていた。まさか、そんなはずない。彼女はも...
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ひとこと小説「秘密のラジオ」

「夜に溶けた、あの声の正体」いつからか、夜になると決まってラジオを聴くようになった📻深夜1時、雑音混じりに流れる“ナイト・ブリーズ”という番組。都会の喧騒を忘れさせてくれる優しい女性DJの声が、僕の心を癒してくれた。「今日も一日、おつかれさ...
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ひとこと小説「春色の思い出」

「舞い散る花びらが、心を揺らす瞬間」駅前の坂道を登った先に、あの桜並木がある。四月の風に乗って、花びらが舞い始めた。僕は、そっと目を閉じる。彼女が笑っていた春が、ふいに蘇る。「こっち、こっち!」と手を振っていた姿。その笑顔が、ずっと心に焼き...