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ひとこと小説「星の手紙」

「届いたのは、未来からの“好き”」「私のこと、忘れないで」その一言が書かれた手紙は、夜のベランダに突然落ちてきた📩差出人欄には、信じがたい名前と日付が記されていた。――星ノ宮 ハルカ(3025年4月23日)「また、ふざけた通販広告かな?」私...
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ひとこと小説「ひとくちの嘘」

「甘くて、ほろ苦い再会の味」「これ、好きだったよね」彼が差し出したのは、昔ふたりでよく食べたキャンディだった🍬春の風が吹き抜ける駅前で、私は思わず立ち止まった。そこにいたのは、三年前に別れた彼だった。「……元気だった?」「まあまあかな」私た...
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ひとこと小説「リセットボタン」

「もう一度、あの告白から始めたい」「付き合ってください」あのとき、君は少し戸惑ってから、笑ってうなずいてくれた。高校最後の文化祭の日。あれが、僕の人生で最初で最後の“告白”だった💓でも——僕たちは遠回りをしすぎた。進学、就職、すれ違い、誤解...
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ひとこと小説「間違えた部屋番号」

「その部屋には、思い出が置いてあった」出張先のビジネスホテル。疲れた体を引きずるように廊下を歩いていたとき、ふと立ち止まった。「224」——その部屋番号が目に留まる。それは5年前、卒業旅行で彼女と泊まった部屋と同じだった。自分の予約した部屋...
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ひとこと小説「定位置の窓辺」

「最後のメッセージは、君の文字で」「ねえ、今日もその席なんだね」放課後、彼女が声をかけてきた📚教室のいちばん端、窓際の席——そこが僕の“定位置”だった。春に転校してきた彼女は、最初からこの席に興味を持っていた。「景色がきれいに見えるから、好...
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ひとこと小説「プリントの裏」

「最後のメッセージは、君の文字で」「机の上、片付けてくれる?」先生にそう頼まれて、僕は帰り支度をしながらプリントを回収していた📄教室にはもう誰もいなくて、夕焼けが窓から差し込んでいた。ふと、一枚だけ裏返しになったプリントが目にとまった。いつ...
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ひとこと小説「渡せなかった切符」

「たった一駅のすれ違い」彼女の家まで、電車でたった三駅だった。それでも、僕にとっては遠くに感じられる距離だった🚃最初に会ったのは、大学の入学式。不安と期待が入り混じる中、隣の席にいた彼女が、笑顔で話しかけてきた。「同じ学部? 一緒の学部の人...
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ひとこと小説「シーツの匂い」

「まだ、ここにいるよ」部屋にふわりと広がる、ラベンダーの香り。窓から差し込む春の光が、白いシーツをやさしく揺らしていた🌸この匂いを嗅ぐと、決まって思い出す。「お日さまの匂いって、落ち着くよね」そう言って笑った、君の声。君が週末ごとに通ってき...
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ひとこと小説「待ちぼうけのベンチ」

「最後の返信」公園の片隅にある、誰も座らない古いベンチ。今日も私は、そこに腰を下ろしてスマホを見つめている📱「17時に、いつもの場所で」そうメッセージが届いたのは、昨日の夜だった。送り主の名前は「拓真」。でも、私は知っている。このメッセージ...
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ひとこと小説「最後の夏祭り」

「すれ違いの約束」駅前の坂道を下ると、夏祭りの提灯が風に揺れていた🎐あの夜と同じ光景だった。——三年前の夏、僕たちは約束した。「来年も、この場所で会おう」って。大学進学で遠くに行った君と、唯一の再会の約束。けれど次の夏も、その次の夏も、君は...