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マジック点灯 最速の夏、ふたりの再会

もう会えないと思っていた人に、夏の朝、すれ違っただけで全てが動き出した🌅


《@yuu_11:今年の夏、魔法が灯るような瞬間があった——》

朝のコンビニ前、陸上部の朝練に向かう悠真は、水を買って走り出そうとしていた。
そのとき、向こうから制服姿の女子が歩いてきた。
一瞬、目が合う。

「……千夏?」

胸の奥がざわめいた。
千夏も立ち止まる。
驚いたように目を見開き、ほんの一瞬、口を開きかけた——が、言葉にはならなかった。
そして、何かをこらえるように小さく会釈をして、そのまま歩き出した。

その背中が、あまりにも遠く感じた。
だけど、あの視線は確かに、千夏だった。🌻

高二の夏休み、短期間だけ転校してきた千夏。
彼女は静かで笑顔の少ない子だったけれど、放課後の図書室で偶然隣に座ってから、不思議と会話が続いた。
「速いですね、走るの」
「君も、話すの早くない?」

そんな他愛もないやり取りが、悠真にとっては魔法のように心を灯す時間だった。
けれど、夏が終わると同時に千夏は突然転校してしまった。
何も言わずに。

残されたのは、机の中にそっと置かれたメモだけ。
《走るあなたが好きでした。がんばって》📱

すれ違ったあの朝から、悠真は「@chika_0」という鍵付きアカウントを毎晩のように見ていた。
プロフィールにはこう書かれていた。
《マジック点灯がまた見たい。もう一度》

名前も顔も出ていないけれど、その一文だけで確信した。
——千夏だ。

思い切ってフォロー申請を送ると、しばらくして通知が届いた。
DMが届く。

《……あの日、気づいてくれてありがとう》📘

夏の終わり。
悠真はポケットにあのメモを入れて、もう一度あのコンビニの前に立った。
陽射しは柔らかくなり、蝉の声も少し弱くなっていた。

数分後、制服姿の千夏が現れた。

「やっぱり、君だったんだ」
「もう、会えないと思ってた」

ふたりの声は震えていたけど、ちゃんと届いていた。
会話よりも、その空気がすべてを物語っていた。

お互い、胸の奥でしまっていた“続き”が、そっと目を覚ます。🌅

次にすれ違うときは、迷わず立ち止まって話せるように。
それが、ふたりにとって静かで確かな“再会の始まり”だった。

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