ひとこと小説「記憶のかけら」

「忘れられない名前」

引っ越しの準備をしていたら、彼女が忘れていった古い日記帳が出てきた📖。

埃を払い、何気なくページをめくる。
色褪せた文字が並ぶ中、あることに気がついた。

——俺の名前が、何度も書かれている。

しかも、その周囲には赤いペンで小さなハートが描かれていた❤️。
驚きと共に、昔の記憶が蘇る。
彼女とは三年前に別れた。
「お互いのために」なんて言いながら、俺の方から距離を置いた。
でも、彼女の心の中にはずっと俺がいたのかもしれない。

ページをめくる手が震える。
最後のページには、こう書かれていた。

——「また会えたら、今度こそ、素直になれるかな」

俺は思わずスマホを手に取った📱。
彼女の連絡先はまだ残っている。

指が震えながらも、メッセージを打つ。
「久しぶり。もし時間があれば、会わないか？」

送信ボタンを押した瞬間、鼓動が早まる。
すると、すぐに通知音が鳴った📩。

画面には短い返信が表示されていた。

「ちょうど、あなたに連絡しようと思ってた」

偶然？ それとも運命？
胸の奥が熱くなった。 ——忘れられない名前が、今、再び動き出す。