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ひと言小説「一秒のすれ違い」

「振り返るには遅すぎて」

改札を抜けた瞬間、すれ違った人の横顔に、心臓が跳ねた💥

あれは——いや、まさか。

でも、記憶の中の彼と同じ癖のある前髪、くっきりした横顔が目の端に焼きついていた👀

振り返れば確かめられる。

でも、足が動かない。

電車のドアが閉まり、ゆっくりと動き出す🚃

ガラス越しに改札を見やると、彼が振り返った——その瞬間、目が合った💫

驚いたように、彼の口が何かを言おうと動く💬

でも、もう音は届かない。

次第に小さくなっていく彼の姿に、思わずスマホを取り出す📱

昔の連絡先を探す指が震えた。

「……まだ、ある」

でも、送るべき言葉が見つからない💭

今さら「久しぶり」と送るのはおかしいだろうか。

それとも「元気?」と軽く聞けばいい?

考えているうちに、電車は次の駅へと滑り込んだ。

スマホの画面に映る、未送信のメッセージ。

指が迷ったまま、電車は遠ざかる🚉

彼の視線を、もう一度確かめるには——遅すぎた。

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