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ひと言小説「止まらない雨」

「揺れるカーテン」

☔ 雨の続く夜。

大きなガラスの窓を通し、その向こう側に雨の絵模様が薄く気になっていた。
新居のマンションのライティングが映えている、独り立った部屋だった。

隣の部屋にフワッとしたカーテンが揺れる様子が見えた。
「あれ、あっちに誰か住んでいるの?」

👀 自分の情報では、その部屋は空室のはずだ。
しかし、明らかに誰かがいる気配を感じた。

意を決して部屋の外に出て、隣の部屋のドアに耳を当てる。
中からは何も音がしない。
それでも、確かにカーテンが揺れるのを見たのだ。

🌧️ 雨音がさらに強くなり、不安が胸に広がる。
「気のせいだろう」と自分に言い聞かせ、部屋に戻ろうとしたその時——

カーテンの隙間から、はっきりと人影が見えた。
それもこちらを見ているように感じる。

💡 急いで部屋に戻り、スマートフォンを手に取った。
恐怖と好奇心が入り混じり、警察に電話するか迷う。

その時、スマートフォンの画面に通知が表示された。
「隣人登録完了:○○号室」

⁉️ そんなはずはない。
管理会社に確認した時点では誰もいないと言われていたのに。

窓越しにもう一度隣の部屋を確認すると、カーテンは静止している。
人影も消えていた。

ただ、雨音だけが止むことなく響き続けていた。

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