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ひと言小説「止まった風」

「耳元のささやき」

大きな窓のそばで本をめくっていた私。

窓を開けると、そよ風が頬を撫で、ページがふわりと揺れる。

穏やかな午後の時間だ。☀️

ふと、風が止んだ。

あまりに突然で、不自然な静寂が訪れる。

その瞬間、耳元で誰かが囁いた。

「また会えたね。」

背筋が凍りつく。

振り向いても、そこには誰もいない。

ただ、窓の外の木々が揺れ始め、再び風が吹き込んできた。

「気のせい…?」と呟く私の胸は、妙な高鳴りを覚えていた。

風が止んだ瞬間、何かが確かに変わった気がする。

その囁きが幻でないことを証明するように、机の上には、見覚えのない小さな羽がひとつ。

一瞬、時間が止まったように思えた午後のひとときだった。🪶

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