
虫コスで飛んだら地獄⁉️
「やっぱキャンプってさ、非日常で最高だよな〜」
ノリノリで虫の着ぐるみを着たのは、友人のタカシだった。
大学のゼミ仲間6人で来た夏のキャンプ。
焚き火を囲んで、焼きマシュマロとトウモロコシ。
星空の下、会話も弾み、雰囲気は最高だった。
そんな中、唐突にタカシが立ち上がり、こう宣言した。
「俺、虫になるわ!🔥」
一同ポカン。
……と思ったら、テントの中からゴソゴソと取り出したのは、まさかの“セミの着ぐるみ”。
「“飛んで火に入る夏の虫”ってことわざ、リアルで見たことあるか?俺が実演するわ!」
笑い転げる私たちをよそに、タカシは得意げにその場で羽ばたきポーズ。
まさか本当にやるとは思ってなかった。
「セミィィィィィィィィッ!!」
という謎の掛け声とともに、タカシは助走をつけて跳んだ。
目指すは……そう、キャンプファイヤーのど真ん中🔥。
そして次の瞬間、
「アッツ!!アッチィィィィィ!!🔥🔥🔥」
火の粉が着ぐるみに引火。羽がパチパチと燃え上がる。
着地は成功……かと思いきや、火のついたまま転げ回る虫(人間)一匹。
「誰か水ぅぅぅ!!バケツバケツ!!🔥」
慌てふためく一同。
火を消しながら笑いが止まらず、もうカオス。
焦げた羽、目を見開いた顔、あらゆるものが“夏の終わり”を感じさせた。
そんな中、唯一冷静だったのは、ツッコミ役のユウカ。
「だから言ったじゃん。“ことわざは真似しちゃダメ”って」
その一言で、場は完全に爆笑の渦に。
焚き火のまわりに、火花と笑い声が舞い散った。
翌朝、タカシの背中はうっすら焦げ、羽は半分溶けていた。
だが本人は満足げにこう言った。
「見たか?俺、ことわざになった男だぜ✨」
その日撮った写真はSNSでバズり、
「#飛んで火に入る夏の虫本人登場」タグが誕生した。
コメント欄は賞賛と心配の嵐。
それ以来、私たちのキャンプには“虫役”が毎回現れるようになった。
でもタカシだけは、もう二度と火に飛び込もうとしない。
「羽根、焦げるからさ……」とつぶやきながら。
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