
犯人はこの中にいる!
「Q:犯人は誰?」
「にんじんはどこへ?」
診察室の片隅で、医師・高城(たかしろ)はカルテに目を通していた。
だが、そこに書かれていたのは病状ではなく、暗号のような謎めいた文字列と、にんじんのイラスト。🥕
「これは……診療記録じゃない」
高城はルーペでカルテを覗き込み、眉間にしわを寄せた。
数時間前。
病院の厨房から大量のにんじんが盗まれる事件が発生していた。
犯行現場には、なぜか一枚のカルテが落ちていたという。
「このカルテに、犯人のヒントがあるはずだ」
謎めいた記号「Q|山∠X三」に首をかしげる高城。
助手の看護師・ミホがつぶやいた。
「先生、それって……顔文字に見えませんか?」
👀💡
その瞬間、高城の頭に電流が走る。
これはただのカルテではなく、犯人が残した”推理カルテ”だったのだ。
つまり、“遊んでる”可能性がある。
犯人は病院関係者。
しかも、暇を持て余して謎を残すタイプの変わり者。
高城は疑わしい3人を会議室に呼び出した。
・栄養士の西田:最近「野菜ジュースしか信用できない」が口癖。
・薬剤師の原田:なぜか冷蔵庫に「冷やしにんじん」と書いた箱を常備。
・外科医の近藤:昼食ににんじんスティックを5本持参。毎日。
「この中に……犯人がいる」
静まり返る室内に、推理カルテを広げる高城。
「この“山”と“∠”と“X”は、にんじんを斜めに切った断面の形だと仮定すると……」
「やめてぇぇぇ!!!」
叫んだのは――薬剤師の原田だった。
「にんじんが冷たい方が好きなんです!でも盗むつもりじゃ……」
泣き崩れる原田の後ろポケットには、にんじんを包んだ保冷剤つきタオルが。🧊
こうして「にんじん誘拐事件」は、推理カルテによって解決した。
その後、高城は言った。
「病院に必要なのは、診察力と――ちょっとしたひらめきだな」
カルテは今日も白紙ではなく、どこかの誰かが仕込んだ“謎”で満ちているかもしれない。🕵️♂️🥕📝
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