見えたのは真実か妄想か
「カシャッ📸」
乾いたシャッター音とともに、謎の現象が始まった。
その日、広告代理店で働く若手社員・佐山ケントは、社内コンペの販促アイデアを練っていた。
テーマは「Qoo10メガポ」。
メガ割とポラロイドをかけ合わせたキャンペーン——それは、買い物で笑える記念写真が撮れるという、ふざけすぎた案だった。
「本当にやるの？ これ」
同僚のエミが笑いながら覗き込む。
「やるさ。俺がモデルだ」
そう宣言すると、ケントは巨大なポラロイドカメラと“記念バナナ”を手に、自作のスタジオに立った。
バナナをカメラに押し当て、頬をふくらませておどけるケント🍌
その瞬間、ポラロイドがウィーン…と唸り、現像された写真を吐き出す。
そこに写っていたのは——
未来の自分だった。
白髪まじりのケントが、笑顔でバナナを構え、同じようにふくらませた頬。
背景には「Qoo10メガポ・10周年」と書かれたポスターが見える。
「なにこれ…合成？」
「…いや、これ、まだ作ってない未来のロゴだよ」
エミも目を丸くする。
その後、写真に写った“未来の広告ポスター”を再現する形でキャンペーン案を提出すると、なぜか満場一致で採用🎉
「これはバズる！革命的だ！」
騒ぐ部長たちの前で、ケントはバナナを持ち、あの日と同じポーズでシャッターを切る。
社内の空気は一気にお祭り騒ぎとなり、
「これが未来を写すメガポか〜！」
「欲しい！記念写真つきバナナ！」
誰もがこの奇跡を信じるようになっていた。
その後もカメラは時折、未来を写し出した。
新入社員が写っていたり、取引先の社長がスキンヘッドになっていたり、なぜかオフィスの壁紙がトラ柄になっていたり🐯
「このカメラ、ほんとに未来が見えるんじゃ……」
冗談のように話していたが、誰も写真の出来事を否定できなくなっていた。
ある日、ケントの机の上に、再びポラロイドが一枚吐き出される。
今度写っていたのは——
なぜか犬に追いかけられるケントの姿🐶
しかも背後に倒れたバナナの山。
「え…これ、次の未来…？」
「どこで撮られたの、この場所？」
写真の背景には見覚えのない公園のような風景が。
「もしかして…Qoo10メガポのイベント会場？」
現実は、じわじわと写真に追いつきはじめる。
イベント当日、ケントは案の定、公園で記念バナナを配布していた。
そして、どこからともなく現れた一匹の大きな犬。
「おいおい、うそだろ！？🤣」
逃げるケント。
倒れるバナナ。
シャッターが切られた瞬間、また新たな写真が生まれた。
——未来は、予測できない。
だけど、笑えるならそれでいい。
Qoo10メガポ。
それは、笑撃と記念日を届ける、魔法のシャッターだった📸
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