
ゆるく決める二刀流術
会議室には朝から重たい空気が立ちこめていた。
今日こそは白黒はっきりさせよう——そんな無言の圧に、社員たちは書類を抱きしめながら肩をすくめていた。
そこへ、のそのそと登場したのが特別アドバイザーの“パンダ課長”。
白黒コントラストの身体に、なぜか今日は両手に竹の枝を一本ずつ持っている。
まさかの二刀流である。
「……課長、その竹、なんで二本なんですか?」
恐る恐る質問すると、パンダ課長はのんびり笑った。
「白にも黒にも偏らないように、バランスとってるんですよ〜。二刀流って便利なんです〜。」
「便利ってそんな理由……?」
会議が始まると、さっそくA案推しの先輩と、B案推しの後輩がやり合い始めた。
いつものように“白黒つけろ”の空気が生まれかけた瞬間、パンダ課長は竹をクロスさせて立ち上がった。
「はい〜。二刀流でいきましょう〜。」
「えっ、案の話ですよね?」
「もちろん案も竹も両方です〜。」
会議室に、理解が追いつかない沈黙が広がった。
しかしパンダ課長は続ける。
「A案もB案も、それぞれいいところがあるので〜。」
「捨てずに両方かかえて“二刀流案”にするんです〜。」
あまりにゆるい提案に社員たちはポカンとしたが、なぜか否定できない魅力がある。
「迷ったら両方選べばいいんですよ〜。」
「パンダは白も黒も持ってますからね〜。選べないのがデフォルトです〜。」
白黒つけない生き物の説得力は異様に強かった。
そこで、資料担当の若手が小声でつぶやいた。
「……これ、前の“会議疲れエピソード”より全然ラクだ……。」
その瞬間、会議室にクスッと笑いが広がった。
(※会議系ユーモアつながりとして、関連エピソードはこちら:議地獄!AIが考えた小説 – 地獄の炎は終わらない)
パンダ課長はホワイトボードに白丸と黒丸を描いたあと、間にふんわりした灰色を追加した。
「ここが“二刀流ゾーン”です〜。」
「白でも黒でもなく、その間のいいとこ取りです〜。」
丸の描き方までゆるかった。
さらにパンダ課長は竹をクルクル回して言った。
「決められないときは二刀流〜。」
「どっちも良いときも二刀流〜。」
「上から急かされた時も……はい二刀流〜。」
もはや何でも二刀流で解決するパンダ流の恐るべき万能理論だ。
A案とB案は結局「二刀流ハイブリッド案」としてまとまった。
白黒つけない柔らかい結論に、会議室の空気は驚くほど軽くなった。
社員たちは肩の力を抜きながら作業に戻っていった。
会議後、部長はぽつりと言った。
「……パンダ課長、あなたの二刀流、社内文化にしてもいいですか?」
「いいですよ〜。竹は配りませんけど〜。」
「いや、竹はいりません!」
こうして“白黒つけない二刀流会議術”は組織全体に広がった。
決めることより、抱えること。
切り捨てるより、柔らかくすること。
そんなパンダ流の働き方は意外にも多くの社員を救った。
今日もパンダ課長は二本の竹を抱えながら、のんびりと会議室で丸くなっている。
白でも黒でもない、ちょうど良い“ふんわり二刀流”が、職場をじわじわ変え続けているのだった。
(動物系ユーモアが好きな社員は、休憩中にこんな記事も読んでいるらしい:猫カフェで大事件⁉️ 伝説の猫がやらかした)
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