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顔パス!AIが考えた小説 – 顔が通貨の改札駅

顔だけで、どこまでも

月曜の朝、通勤ラッシュの改札に並ぶ人々の列に、ひとりニヤけた男がいた。
名は田口翔太。普通の会社員である。

だが、今日の彼にはある秘密兵器があった。
それは「顔パス」。

新しく導入された駅の顔認証ゲート。
社員証もICカードも必要なし。
ただ顔を近づければ、「ピッ」と鳴ってバーが開く。
——のはずだった。

「いってきまーす😊」
妻に手を振って玄関を出た田口は、意気揚々と駅に到着。
改札前に立ち、いざ、顔面スキャンの儀へ。

笑顔でバーに顔を向けた瞬間、機械が唸った。

「ピ——ン」

無機質な音とともに、バーはびくともしない。

「ん?」

もう一度、顔を差し出す。

「ピ——ン」

後ろの人々がすでにイライラモード。
「ねえ、詰まってるんだけど💢」
「早くしてくれませんか?」

焦った田口は、顔の角度を微調整しながら、改札とにらめっこ。
斜め45度スマイル。
真顔スキャン。
社会人の疲れ顔モード——

だが、改札は無慈悲に言った。

「登録情報が一致しません」

「え? 昨日まで通れてたのに⁉️」

そのとき駅員がやってきて、田口をじっと見つめた。

「昨日、美容院に行かれましたか?」

「え? まあ……」

「髪型、変えられましたよね。あと、ヒゲも剃ってる……」

まさかの、顔認証システム、超神経質仕様。

「AIって、もうちょっと柔軟じゃなかったのか……」
田口はつぶやいた。

結局、紙の切符を買って通勤。
駅員に笑顔で言われた。

「ご本人の“顔パス”をアップデートしておいてくださいね😊」

その日の帰り、田口は思った。
「明日からマスク生活に戻ろうかな……」 ——顔で通れる時代は、意外と厳しいらしい😅
いや、もしかするとこれは、“顔”に責任が生まれる社会の幕開けかもしれない。
寝癖すらリスクになるとは。
田口はスマホを取り出し、床屋の予約をキャンセルした。
明日の顔を守るために、今夜は横向きで寝ないと決めた。

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