商店街を救う、予言系リクガメの奇跡🐢🔮
寂れた昭和風の商店街に、ひっそりと開業した「かめ占い堂」。
のれんをくぐると、そこには一匹の巨大リクガメが鎮座していた。
名は“仙亀（せんき）”。齢99歳。
店主いわく、彼は“甲羅占い”の達人らしい。
「悩み事を書いた紙を甲羅に貼ると、未来が見える」とか。
最初は誰も信じなかった。
が、ある女子高生が「推しが紅白に出ますか？」と書いたところ、甲羅が光り、LEDで「YES」と点滅。
その2ヶ月後、本当にそのアイドルが出場決定。
SNSで瞬く間にバズり、
「甲羅のご託宣」
「光る運命のタートル」
など様々な異名がついた。🐢
サラリーマンが「転職すべきか」と尋ねれば、甲羅が“モゾッ”と揺れて、スマホのSiriが勝手に起動。
「はい、転職サイトを開きました」
なぜか履歴書のテンプレまでダウンロードされていた（通知音はなぜかガメラの鳴き声）。
婚活中の女性が「運命の人はいつ？」と訊けば、甲羅の上に一枚の広告チラシが舞い降りる。
そこには「町内野球大会 主審募集中！」の文字。
後に彼女は、そこで出会った審判と電撃婚。
商店街の衰退に悩む会長が「どうしたら人が戻るか？」と相談すると、甲羅がぐるりと回転。
一瞬で周囲の電気が消え、天井からカラフルな提灯が降ってきた。
それをヒントに始めた“昭和レトロ祭り”が大成功し、商店街は息を吹き返す。⛩️
その後も仙亀の予言は止まらない。
「明日のランチ何にしよう…」とつぶやいた人には、甲羅の一部が突然“湯気”を立て始め、みそラーメンの香りが店内に充満。
外に出ると、偶然オープンしたばかりのラーメン屋が目の前にあった。
「宝くじ、買うべきかな…」と悩んだ人には、甲羅の模様が一時的に“777”になるという奇跡の演出も。
そして現在。
仙亀のもとには全国から悩める人々が訪れる。
占いは無料。
ただし、終わった後は必ず“甲羅を3回なでる”のがルールだ。
なぜなら――
なでられることで、彼の運もまたチャージされるらしい。
「亀の甲より年の功。じゃが、未来を動かすのは“信じる心”じゃ」
そうつぶやいて、今日も彼は、甲羅を光らせる。
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