
同じ言葉を繰り返す謝罪
森の広場で暮らすオウムのパロは、言葉を覚えるのが得意だった。
人の会話を聞いては、そのままそっくり繰り返す。
それが面白がられて拍手をもらう日々が続いていた。
言葉を覚えれば覚えるほど、パロは人気者になっていった。
ところがある日、集会の場で誰かの言葉をそのまま口にした瞬間、空気が変わった。
笑い声は止まり、ざわつきだけが残った。
誰の言葉だったのかは問題ではなかった。
聞いた側がそれぞれ意味を付け足し、勝手に話を大きくしたのだ。
翌朝、広場の掲示板には説明を求める紙が増えていた。
その中には、まるで事件名のような言葉も書かれていた。
誰かが小さく「炎上案件!AIが考えた小説 – 焦げすぎた恋のBBQ」とつぶやいた。
長老はパロを呼び、静かに言った。
まずは反省文を書きなさい。
パロは羽をすぼめてうなずいた。
反省文の書き方は、どこかで何度も聞いたことがあった。
紙の前に座ったパロは、くちばしを動かし始めた。
深く反省しています。
深く反省しています。
今後は気をつけます。
今後は気をつけます。
反省文はすぐに掲示板に貼り出された。
人々は集まり、首をかしげた。
誠実だという声もあれば、軽すぎるという声もあった。
誰かが言った。
これじゃ、謝罪会見 座布団がザブ〜ンと割れた件みたいだ。
パロは混乱した。
自分なりに、できることはやったつもりだった。
すると子どもが言った。
このオウム、聞いた言葉しか話せないんだよ。
その一言で、広場は静かになった。
皆が気づいたのは、パロが考えて広めたわけではないということだった。
繰り返していただけで、意味を選んでいなかっただけだった。
長老は反省文の横に、短い言葉を添えた。
言葉は、使う前に立ち止まるもの。
それだけで十分だった。
人々はうなずき、掲示板の前から離れていった。
パロは羽を整え、次に話す言葉を少しだけ考えるようになった。
くちばしの動きは、以前よりゆっくりになっていた。
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小説「反省文を書くオウムが炎上を鎮めるまで」の後日談と続編は、noteにて公開しています。
掲示板の騒動のあと、パロが「自分の言葉」を探し始めた小さな変化を描いています。
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