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ダイエット挫折ホットケーキは別腹事件

甘さに完敗しました🍰

「……これ、食べたら終わりだよな」
私は目の前のホットケーキタワーを見つめ、固まっていた。
黄金色の層が、メープルシロップを滴らせながら輝いている。
まるで「食べなきゃ後悔するよ」と誘惑してくるみたいだ。

事の始まりは、SNSで見かけた“ダイエット成功者限定スイーツ会”だった。
「成功者限定」の響きに惹かれ、つい応募。
「私、先月マイナス5キロ達成したんです!」と胸を張って自己紹介をした瞬間、会場にいた全員が拍手してくれた。
――その拍手が、私の敗北のカウントダウンだったとは、このとき知らずに。

「こちら、本日のメインイベントです!」
スタッフが運んできたのは、直径20センチのホットケーキ10段重ね。
その上に生クリームとアイス、フルーツが山盛り。
参加者の誰もが歓声を上げる中、私は心の中で悲鳴を上げていた。

だってこれは“成功者限定”じゃなくて、“再び転落者続出”の罠じゃない⁉️

「一口だけ……」と自分に言い訳し、フォークを入れた瞬間、甘い香りが鼻をくすぐる。
口に入れた瞬間、ふわっと溶ける生地とシロップの甘さが広がり――私の理性は音を立てて崩れ落ちた。

気づけば、目の前の皿は空。
周りを見れば、私と同じように呆然と座る参加者たち。
そして会場の隅には、「おかえりなさい」の文字が印刷されたバナー。

「……これが、“ダイエット挫折”ってやつか」
私のつぶやきに、隣の女性が笑いながら言った。
「でも、美味しかったでしょ?」
――はい、美味しかったです。完敗です。

その帰り道、ふとスマホを見ると、来月の“成功者限定スイーツ会”の案内が届いていた。
「いやいや、もう無理でしょ」と思いながらも、指は勝手に参加ボタンを押していた。

そして迎えた次の月、私は再びその会場にいた。
今度のメインは“ホットケーキドームケーキ”。
丸ごとナイフを入れると、中からまた小さなホットケーキが出てくるという二段構えの甘い罠。
「これ……ダイエットの敵どころか、ラスボス級じゃん!」と叫んだ瞬間、周りの笑い声がシロップの甘さよりも濃く響いた。

きっと私は、この甘い戦場の常連になるんだろう。
痩せたい気持ちと、甘い誘惑のせめぎ合い。
それでも――幸せはカロリーで測れないってこと、今日よく分かったから🍯✨

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