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猫の副業 うちの猫、月収10万らしい!?

SNSでバズった飼い猫の逆転劇

マンションの一室で暮らすOL・真由は、特に才能も運もない、ごく普通の会社員だった。
唯一の癒しは、ぽっちゃり猫の「もちお」。
仕事から帰ると、もちおが「ニャー」と鳴きながら玄関まで出迎えてくれる。

「もちお、今日もありがと。あんたがいなかったら、会社行けてないよ…」

真由はスマホを取り出し、何気なく写真を撮る。
その日は残業続きの金曜の夜、目の下にはクマ、手にはコンビニ弁当。
もちおのゆるんだ寝顔を見て、ふとつぶやいた。

「#猫に癒されたい人と繋がりたい」

それが、すべての始まりだった。

翌朝。
目を覚ました真由は、スマホの通知音に驚く。
フォロワーが一晩で500人増えていたのだ。
しかもコメント欄は「もちお最高!」「猫の表情が人間っぽい!」の嵐。

「え?うそ…もちお、バズってる…?」

その日から真由は、“もちお専用”のアカウントを作った。
投稿は毎日更新。
「#月曜行きたくない猫」「#在宅勤務監視係」「#おやつの残業代」など、ちょっとした駄洒落を添えると、どんどんいいねが増えていった。
SNSでバズる猫といえば、以前読んだ猫に小判!AIが考えた小説 – 銀座でバズった猫!?を思い出した。
もちおも、あの銀座の猫に続く伝説になるかもしれない。

ある日、会社の昼休み。
同僚のゆかがスマホを見て叫んだ。

「ちょっと真由!これ、あんたの猫じゃない!?」

画面には“猫のもちお、フォロワー5万人突破”というまとめ記事。
上司までもが「これ、うちの社員の猫だろ?」と笑いながらやってきた。

「いやぁ〜SNSも時代だな。猫がうちの広報より有名とは。
…真由くん、君、もちおを副業登録しておいて」

「え、副業登録!?」

会社のシステム上、収入が発生する活動はすべて「副業申請」しなければならない。
真由は笑いをこらえながら申請書に「職種:猫インフルエンサー」「本人確認:もちお」と入力した。
人事部から返ってきたメールにはこう書かれていた。

「もちお様のマイナンバーを添付してください」

「そんなの持ってるわけないでしょ!?」

それでも、もちおの人気は止まらなかった。
企業案件のDMが届き、猫用おやつやキャットタワーのPR依頼まで来るように。
真由は悩んだ末、全部もちお名義で引き受けた。
報酬はもちろん、もちおの口座(正確には真由の猫用貯金口座)に振り込まれた。

「もちお、あんたもう完全にうちの稼ぎ頭だね」

もちおは満足そうに「ニャ」と鳴いて、ゴロリと寝転ぶ。
その姿を見ながら真由は、以前ネットで見かけた猫の手も借りたい!AIが考えた小説 – 忙殺オフィスキャットパニックの主人公を思い出していた。
まさか自分が“リアル版・働く猫”の飼い主になるとは。

やがて、会社では妙な噂が流れ始めた。

「真由の猫、ボーナス出たらしいよ」
「上司が社内広報に載せようとしてるらしい」

すると本当に、社内報の特集ページに「社員のペットが会社を救う!?」という見出しが。
広報担当の部長がうれしそうに言う。

「もちおくんの人気でうちの採用ページのアクセス数が2倍になったんだよ!」

社長までもが目を細めて言った。
「猫も社員の時代か…。IDカードを発行してやってくれ」

こうして、もちおは正式に「社外広報猫」として登録された。
名札には『もちお/広報部・癒やし担当』と書かれている。

ある日、真由のもとに一通のメールが届く。
件名は「もちお様への出演依頼」。

地方テレビ局からの出演オファーだった。
「SNSで話題の“副業猫”として番組に出ていただけませんか?」という内容に、真由は思わず吹き出した。

「え、もちお…あんた、ついにテレビデビュー?」

撮影当日。
もちおは車の中で眠そうにしていたが、カメラが回ると別猫のように堂々と座り、カメラマンに視線を送った。
スタッフが驚く。

「すごい、カメラ慣れしてる…!」

放送後、もちおのフォロワーは一気に10万人を突破。
企業案件はさらに増え、グッズ化の話まで舞い込んだ。
会社では「広報より猫の方が成果出してる」と笑いが止まらなかった。

しかし、そんな日々にも影が落ちる。
真由は、いつしか「もちおの撮影」に追われる毎日になっていた。
動画の編集、企業対応、コメントの返信。
SNSの通知に追われるうちに、気づけばもちおと遊ぶ時間が減っていた。

ある晩、撮影を終えて真由がスマホを見つめていると、もちおが背中を向けたままベッドの下に潜り込んだ。

「もちお?どうしたの?」

呼びかけても、返事はない。
真由はその夜、なぜか涙が止まらなかった。
“副業猫”として笑われてきた日々の裏で、一番大切な「時間」を失っていたのだ。

翌朝。
真由はスマホを閉じ、もちおの頭をそっと撫でた。

「今日から、しばらくお休みしよう。
お金より、大事な時間を取り戻したいの」

もちおは静かに目を細めて「ニャ」と鳴いた。

数週間後。
SNSの更新を止めた真由のもとに、心配したフォロワーからのDMが届いた。
「もちお、元気ですか?」
「待ってます!」

真由は久しぶりに投稿した。

「#もちおは今日も元気です。だけど副業はお休み中。今は“昼寝業”に専念してます」

投稿には数万件のいいねがついた。
コメント欄には「その働き方、理想」「私も副業より昼寝したい」など、温かい声が並んだ。
まるでリモートペット散歩でまさかのバズり犬の続編のように、ペットと人との距離感を見つめ直す物語になっていた。

数か月後。
真由は会社で新しい部署に異動していた。
担当は「SNS戦略とウェルビーイング推進」。
もちおの経験が、そのまま彼女のキャリアになっていた。

昼休み、同僚のゆかが笑いながら言った。

「結局、あんたも副業できたじゃん!」

真由はコーヒーを飲みながら答える。

「そうだね。でも教えてくれたのは、あの猫だよ。
“働くこと”より、“心を撫でること”のほうが大事だって」

窓際では、もちおが日向ぼっこをしながら、のんびりと寝返りを打っている。
その寝顔を見て、真由はふっと笑った。

「もちお、今日も出勤おつかれさま」

もちおは片目を開けて、短く「ニャ」と答えた。
それが、まるで「お互い様ニャ」と言っているようで、真由の胸が温かくなった。

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