本ページはプロモーションが含まれています

リモートペット散歩でまさかのバズり犬

アプリ越しのわんこ大騒動

朝の8時、在宅勤務中のサラリーマン・雄一はノートPCの前でため息をついた。
「はぁ…今日も会議か…」

机の下では、柴犬のコロがリードをくわえて「行こうよ!」と言わんばかりに尻尾をぶんぶん振っている。
しかし、会議はあと3分で始まる。

「ごめんコロ…今日はアプリで頼むわ」

雄一は最近導入したサービス「リモ散(リモート散歩)」を起動した。
アプリを開くと、代理散歩員のお兄さんが映り、笑顔でリードを握っていた。
すぐに散歩のライブ映像が流れ始める。

「いや〜便利な世の中になったもんだ」

と安堵したのも束の間、画面右にコメント欄が表示され、次々と文字が流れてくる。
どうやら雄一は、設定を間違えて「公開配信モード」にしていたらしい。

「この柴犬かわいすぎ!」
「歩き方アイドルみたいw」
「お兄さんより犬が主役w」

「えっ、ちょっと待ってこれ…公開?」

慌てて設定を確認するが、会議が始まってしまい、雄一は画面を閉じられない。
仕方なくもう一台のスマホでコロの散歩を見守る。

すると、コロがカメラに向かってピタッと立ち止まり、ドヤ顔で見つめてきた。
「いやいや、カメラ意識しすぎだろ!」

視聴者は爆笑スタンプを連打。
代理散歩員のお兄さんも調子に乗り始め、実況を入れる。

「はい今、コロちゃんが電柱をチェックしております!慎重に…慎重に…これはまさか、歴史的発見でしょうか!」

「やめて!実況すんなって!」

雄一がツッコむが、コメント欄はさらに盛り上がる。
「解説うまいw」
「犬より実況の人推せる」
「いやいや主役はコロでしょ!」

その日の配信は予想外のバズを呼び、視聴者数は一万人を突破した。
翌朝、雄一が会社のオンライン会議に参加すると、上司がにやにやしながら言った。

「なぁ雄一、お前んちの犬…昨日トレンド入ってたぞ?」

「えっ、なんで知ってるんですか!」

「うちの娘が“推し犬”にしてるらしい。サインもらえないか?」

「犬にサインて何ですか!!」

数日後。
コロの配信は完全に定番化していた。
散歩のたびに千人以上の視聴者が集まり、チャット欄は「おはコロ〜!」で埋まる。
散歩中にお座りをすると「神対応!」と褒め称えられ、草むらに突っ込めば「自由すぎて草w」と爆笑が起きる。

雄一は最初こそ戸惑っていたが、だんだんと状況を受け入れるしかなくなっていた。

ある日、配信にスポンサーからコメントが入った。
「コロちゃんにうちのドッグフード提供したいです!」

「え、スポンサー!?」

コロはただ散歩しているだけなのに、気づけば広告塔になってしまった。
雄一のもとには毎日のように段ボールいっぱいの試供品が届く。

「こんなに食べられるか!」

やがてコロは散歩だけでなく「お昼寝配信」や「ご飯タイム配信」まで始めることに。
視聴者はまるで家族のように見守り、コメントはますます増える。

「寝顔尊い」
「今日のカリカリはどこのメーカー?」
「雄一さん、在宅会議より犬配信の方が人気ですよw」

「俺の仕事よりコロの方が稼いでる…」

ついに雄一は悟った。
「もう俺じゃなくて、主役は完全にコロなんだな…」

クライマックスはある雨の日。
コロがレインコートを着て散歩に出かけると、その姿が視聴者の心を直撃した。
「レインコート似合いすぎ!」
「アイドル犬のファッションショーかよ!」
「これ絶対切り抜き動画バズるやつ!」

そして本当に、その日の映像はSNSで拡散され、再生回数100万回を突破。
ニュースサイトにも取り上げられた。

「まさか、リモート散歩からスター犬が生まれるとは…」

雄一は頭を抱えつつも、画面の中で尻尾を振るコロを見て笑った。
「まぁ、楽しそうだからいいか」

コロはカメラに向かってキラリと目を光らせた。
その顔はまるで、次のスター街道を歩む覚悟を決めたアイドルのようだった。

コメント

スポンサーリンク