踊るのは味覚か、音符か？
「ついにこの日が来たか……！」
高校生ダンサー・ミナミは、虹色に彩られたレーンの中央に立っていた。
音符が宙に浮かび、左右の壁にはカラフルなリズムが跳ねている。
ここは、人気番組『シャッフルメドレーTV』の決勝ステージ——“味覚×音楽の融合”をテーマにした奇想天外なショーだった🎵
番組ルールはシンプル。
音楽のジャンルが次々にシャッフルされ、そのテンポと味覚イメージに合ったダンスを即興で披露する。
審査を務めるのは——なんと、舌のキャラクターたち👅
マイクを握ったDJ舌が叫ぶ。
「さあ、今夜もフレーバーステージ、開演だ！」
ドンッとベースが鳴った瞬間、ミナミは走り出した。
ヒップホップのリズムに合わせてステップを刻み、リリックのような振りで決める。
すると、黒帽子の舌キャラが「美味しいーっ！」と絶叫しながら10点札を掲げた。
「さすが前回王者！」と塩くん🧂がうなる。
「しょうゆのように深みがあるねぇ」と、しょうゆ氏🧴も手を叩いた。
だが、安心する間もなく曲調が一変。
タンゴ、昭和歌謡、EDM、民謡と、リズムは秒単位でシャッフルされていく。
「ついてこれるか！？」
ミナミは身体をひねり、飛び、回転した。
まるで味が舌に変化するように、彼女の動きも滑らかに変化していく。
レーンの両脇では、観客に扮した舌たちがリズムに合わせて踊り出す。
「カリッ！」「ジュワッ！」「ヒンヤリ！」「スパーン！」
擬音のようなフレーバーエフェクトが空中に現れ、舞台はさらにヒートアップ🔥
ついに最後のビートが鳴る。
ミナミは中央でジャンプして着地。
「ターン・シャッフル・ポーズッ！」
壁のLEDに大きくスコアが表示される。
——99点「五感に響く味覚ダンサー」——
会場は歓声に包まれ、舌たちはスタンディングオベーション👏
塩くんがウルウルと目を潤ませながら手を振る。
ミナミは息を切らしながら、少し笑った。
「味の審査って、けっこう踊れるんだね」
舌たちが口々に「また来週ね〜！」と叫ぶ中、照明がゆっくり落ちていく。
シャッフルメドレー。
それは、音楽と味覚が手を組んだ、前代未聞のダンスステージだった。
そしてミナミは今日も、“美味しさ”を全身で表現し続けている。
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